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“暮らしの本”愛好家の日記

未来のおしゃれを考える。/大人になったら、着たい服 2015春夏

大人になったら、着たい服 2015春夏 (ナチュリラ別冊)

大人になったら、着たい服 2015春夏 (ナチュリラ別冊)

 

「可愛いおばあちゃんになりたい願望」を具現化すると。

(元)オリーブ少女によくある願望のひとつに「可愛いおばあちゃんになりたい」っていうのがありますよね。私は1978年生まれなので、(元)オリーブ少女よりは少し下の世代なのですが、自分が高校生くらいのときも、ちょっと自意識の強い、おしゃれ好きの文科系女子は、この手のセリフを学年末の文集(!)なんかに「将来の夢」として書いていたような気がします。

 

白髪で目がキラキラしていて、頬はピンクで色白、小柄な感じ。ちょっと妖精じみた、不思議な力が使えそうな…といいますか。映画「マルタのやさしい刺繍」のおばあちゃんたちや、キャラクターでいうと、ムーミンのミイが年をとったような? あと、スプーンおばさんなんかの。

 

で、今回の「大人になったら、着たい服 2015春夏」を読んでみて、おおっ、これぞまさに「可愛いおばあちゃん」!っていう風情の方が載っていて、目を奪われました。

白髪にポンパドール、上気したような頬、優しげな瞳。お洋服がおしゃれ!というよりは、そのたたずまいが素敵だなあと。

 

この「大人になったら、着たい服」は私が唯一、毎号かかさず買っているムック(もし雑誌も合わせるならば、n100出版の「talking about」も毎号買ってますが)で、今号が9冊目となります。年に2冊ペースで、2011年から刊行されています。タイトルの通り、おしゃれな大人(40歳以上〜70代の方まで幅広く)の女性をピックアップして、そのファッションと、人となりを紹介するという内容。

 

毎回、誌面に出る人が違うため、実際に自分が着る服の参考となるかどうかは、その号によって異なります(ナチュリラの別冊なので、全体的にはベーシックでナチュラルな印象ですが)。ただ、読み物としては毎号面白いし、自分とはファッションも方向性の違う人が出ていても、それはそれで新たな発見があり、それが買い続けている理由ですね。それにしても毎号、新たに出てくれる方を見つけてくるのは、すごく大変なのでは、と感じますが…。

 

特に創刊号と、続く第2号を読んだときは「世の中には、こんなにおしゃれで素敵な大人の女性がたくさんいるのだなあ」とワクワクしたものです。そして、惜しげもなく、自分のおしゃれの歴史、クローゼットを公開してくれるその誌面に感動したのを覚えています。今でこそ雑誌の企画なんかで「誰々さんのワードローブ全部見せます!」というのもポピュラーになってきましたが、その人の人間性や生き方にも触れつつ、ファッションを紹介するというのは、このムックが草分け的な存在だったのではないでしょうか。

 

今回の号は、かなり好みのファッションも多く、そして素敵な方がたくさん出ていて、楽しく読めました。

「素敵」というのは、やはり、その人のキャラクターとファッションが調和していて、ごく自然であることではないかなと思います。どんなにおしゃれな方でも「なんだか服が浮いている…」と感じてしまうと、やはり素敵とはいえないというか。服だけが背伸びしている、無理していると、成熟した人には見えないし、逆に個性的な服であっても、その人のキャラクターと一致していれば、自然な印象になると思うので。

 

たぶん、私は年上の女性のおしゃれに、自分の未来の姿を重ねているのだと思います。

あんまりとんがった格好をしている人を見ると「この年まで、自意識を研ぎすませているのは疲れそうだな」と感じたり。そして、奇麗な色の服がしっくりと馴染んでいて、どこかに可愛らしさ、お茶目さのあるファッションがとても似合っている人を見ると、嬉しい気持ちになります。

 

このムックは私にとって、そういう「未来のおしゃれ」について饒舌に語ってくれる、良き先輩のような本。これからのおしゃれに希望が持てるこのシリーズ、今後も追って読んでいきたいなあと思います。