日常茶飯本

“暮らしの本”愛好家の日記

片付け祭り、完了しました。/『人生がときめく片づけの魔法』

人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法

 

“片づけの天才(あるいは妖精)” による、革命的お片づけ本。

 

新年おめでとうございます。かなり久しぶりの日記です。

このブログをお休みしていた2015年9月から12月にかけて、丸4ヶ月間というもの、“お片づけ”に没頭していました。無事に片付けを終え、2016年を迎えることができ、清々しい気持ちでこの文章を綴っています。

今回のお片づけには、何冊かの指針となる本がありました。このブログでも追って紹介していきたいなと思っていますが、まず、その筆頭といえるのが、何と言ってもこの『人生がときめく片づけの魔法』です。

 

作者は、2015年4月、米『TIME』誌で「世界で最も影響力のある100人」に選ばれ、昨年、あらためて時の人となった「こんまり」さんこと近藤麻理絵さん

その第一作であり、ベストセラーとなったのが本書です。今更ブログで紹介するまでもないほど、世界的ブームになってしまった「ときめくお片づけ」ですが、本気で“片づけ祭り”をやってみて、そして完了した一個人として、この本について感じたことを記しておきたいと思います。

 

「ときめくお片づけ」は、まず衣類の整理から始まるのですが、現在のマイ・クローゼットはすっかり風通しがよくなり、なんとスカートは2枚に(!)

減らした当初は、その数の少なさに驚いたものですが、それで全く困らずに過ごせていることが、更に予想を超えた驚きでした。その後、1枚を買い足して、現在は3枚のスカートを着回して暮らしています。ちなみにパンツは冬物3本、春夏2本で、それでボトムスは以上。どれもお気に入りなので、毎日のコーディネートに迷うこともなく(やはりボトムスは着こなしの土台なので、ベースができていれば、おのずと着る服が全身、スムーズに選べるのです)、管理も非常に楽です。

手持ちの服を全て把握できていることが、こんなにも快適というのが初めてわかりました。

衣類の整理だけでも、劇的に暮らしが変わります。それが本類、書類、小物類、思い出品…という順に片付いていく、そのめくるめく感じ、まさに魔法的!

 

おそらく、いわゆる「本好き」という人種(はい、もちろん私もその一人です)は、どうもベストセラーには触手が動かない性質のため、この本がはじめにブームになったとき(2011年)は、恥ずかしながら、読んでもいないのに「ああ、ときめきで判断する整理法の本ね〜」と、わかったつもりでスルーしていました。

しかし、週刊文春の2015年9月10日号の「阿川佐和子のこの人に会いたい」に、近藤麻理絵さんがゲストで出た対談を読み、そのあと、どうしても気になって、本書を購入(阿川さんの、魅惑的に話を引き出す力にも感謝!)。

読んですぐ、片付けに着手しました。こんまりさんの頭の中を垣間みて、そのめくるめく片づけワールドに、はまり込んでしまったのです。

 

さて、この『人生がときめく片づけの魔法』。一読してまず感じたことは、

「この本の文章そのものが、完璧に片付けられている!」

という新鮮な驚きでした。

どこを読んでも無駄な部分がなく、かつ冒頭から結びの言葉に至るまでの各章が、ものすごく整理され尽くしているのです。

この本が伝えたい事はものすごく簡潔。「はじめに」を読むだけでそれはわかります。

「一気に、短期に、完璧に」そして「すべての持ち物の置き場所を決める」こと。

この二つだけが片づけの極意であり、まずそれをシンプルに伝え、そして続く章で「それを実際にどういう手順で行えば、片付くのか」を具体的に示している一冊なんですね。

 

読後、実際に片づけ祭りを始めてみて、片づけが少し滞ったり、疑問に感じることが出てくるたび、この本(と、二冊目の『人生がときめく片づけの魔法2』を何度読み返したかわからないのですが(少なめに見積もっても、併せて約5〜60回ほどはページを開いたかと…)、読み返す度に確実に答えが見つかり、こんまりさんが横についてナビゲートしてくれているような錯覚を覚えた本でした。 

人生がときめく片づけの魔法2

人生がときめく片づけの魔法2

 

 

本文中では(自虐的表現として)時折、自らを“片付けのヘンタイ”と称するこんまりさんですが、間違いなく彼女は“片付けの天才”といえるでしょう。もしくは、その外見的イメージから“片付けの妖精”でも良いかと思います。そして、天才というのは、その世界を根底から変えてしまうものです(例えばモーツァルトビートルズが音楽界を、アインシュタインやホーキングが科学界を変えてしまったように。その人が現れると、その世界の全ての風景が変わってしまうという意味で)。本当にこんまりさんは、片づけ界に舞い降りた天からの使者という印象です。けっして大げさでなく。

 

私が「片づけ祭り」に取り組み始めたのは2015年9月11日。それから12月の終わりまで、とにかく物を処分し、そして置き場所を決めて行くという、ただそれだけなのにも関わらず、非常に充実した、それこそ心ときめく毎日でした。

私は自他ともに認める本の虫です(こんまりさんが「人生の8割以上を片付けに費やしてきた」ように、私も人生の8割以上を、本にまつわることに費やしてきた気がします)。が、ここまで夢中になれた本は、たぶん両手の指にも満たないです。そしてそういう人が世界中に数多くいるから、これほどのブームを巻き起こしたのでしょうね。遅ればせながら、そのムーブメントを肌で感じることができました。

 

そして、この本が一番の起爆剤になったのは確実ですが、これまで読んできた、その他の「片付けに関する本」にも、心からの感謝を捧げたいと思いました。なぜならこの「ときめくお片づけ」のバックグラウンドには、こんまりさんが吸収してきた過去の片づけ本、そして雑誌の片づけ特集などの影響もまた確実にあると思うからです。

 

今回の日記だけでは語り尽くせないので、少しずつこの本や、また他の片づけ本についても、追加でアップして書いてみたいと思っています。

 

ちなみに「本類を整理すると情報に敏感になる」という言葉がこの本の文中にあります。

私の例でいうと1000冊以上あった蔵書が10分の1以下に減りました。家に3つあった本棚に、ぎゅうぎゅうに入っていた本たちが、居間のコンパクトな扉付きの本棚一つにぴったりと収まるようになり、そしてそのときめく中身に大満足。手放すと決めた、かつて大好きだった本たちは、古本のチャリティー「チャリボン」に全て寄付しました。

チャリボン【古本がNPO・NGOへの寄付・募金となる新しいしくみ】

 

これからの自分が新たにどんな本を読んでいくのか、出会っていくのか…今からわくわくしている、2016年最初の月でありました。